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2021.10.06 / President Talk

デザインの役どころ

デザインが主役になってはいけない。

日本グラフィックデザイナー協会会長の佐藤卓氏がNHK「プロフェッショナル/仕事の流儀」の中、で語っておられた言葉です。

一般ユーザー向けの商品では、見た目の印象が売れ行きに影響を及ぼす度合いが比較的高いので、デザインの現場で「パッケージの出来映えで売る」といううがった考えに陥る恐れがある。佐藤氏はそのことを強く戒めておられた。あくまで商品自体が主役であって、デザインは買い手に情報を伝えるための補佐役であると。

そもそもデザインを考案する場面というのは、クライアントが商品やサービスを開発してくださって初めて生まれるものであって、デザイナー側が単独で仕事をスタートさせることはできない。開発された品物やサービスの品質や効能が買い手にどのようなメリットを与えるかを、まずデザイナーはしっかり押さえる必要がある。その上で、商品やサービスの開発者の努力やそれらを生産し続ける方々の労力を見据えて、売り手の想いをユーザーに伝えるためにデザイナーは力を尽くさなくてはならない。

デザインされたといわれるものが巷にあふれ日々大量に消費される時代だからこそ、「デザインの役どころ」をしっかりわきまえて、真摯な気持ちでクライアントと向き合う大切さを、改めて肝に銘じたい。

文責:坂元