販促通信
販促通信 2024年 春号 No.173
この街のクリエイター博覧会
大阪に拠点を置く、多分野のクリエイターの祭典「この街のクリエイター博覧会2024」に当社も出展しました。出展者137組、1ブース幅1200mmの非常にコンパクトなスペースでいかに来場者のみなさまに興味を持っていただけるか。事前に展示会に関連するセミナーを受講し、出展について学びなおすなど入念に準備を進めました。「あれもこれも欲張らない」というセオリーがあり、打ち出すテーマを絞ることで印象に残るブースになります。今回は、パッケージデザインに絞り「パッケージ作りは〇〇作り」をテーマとして掲げ大きく打ち出しました。前日の関係者プレビューの反応を見て、当日の朝にディスプレイを急遽変更。柔軟な対応が功を奏して昨年の展示会よりも良い反応をいただきました。また今回、出展者側が全てクリエイターという「同業者との競争」といった状況は、クライアント様の立場を擬似的に体験できる貴重な経験になりました。クライアント様の出展の際にこの経験が生かせるよう、「受注獲得までが展示会!」の気持ちで、アフターフォローを進めてまいります。
スーパーハイクオリティ紙袋
学びの多いスターバックスのブランディング。今回は季節限定の紙袋を見てみます。フレキソ印刷という手法が用いられているのですが、まずそのクオリティに驚かされます。フレキソ印刷は、印鑑や消しゴムハンコのような版のイメージで一色ずつ刷っていきます。版の特性上、簡単な図柄やコストを抑えたいときに優位性を持っていることから、段ボールや布などへの印刷に向くとされていますが、この紙袋にはそこに技術力の高さと絵作りの巧みさが加わって見えます。
細やかな絵柄ながらも版ズレがない仕上がり。なめらかな濃淡(グラデーション)を生み出す小さいドットの描写。一般的なフレキソ印刷のイメージを覆す高い技術力が窺えます。
木の枝は、色をつけない(地のクラフト素材を活かす)ことで表現されている。印刷の仕組みを理解した絵作りの巧みさはデザイナーにとって見習いたいポイントです。
無料の紙袋にもフレキソの可能性に対する遊びゴコロが感じられ、SNSでは印刷メディアに携わる人たちから多くの感嘆の声があがりました。「スターバックス体験」や「環境配慮」を標榜する同社のアイデンティティとも合致した、話題性・メッセージ性ともにインパクトのある取り組みです。技術力とコストの面で容易に真似できないものの、その発想に刺激をもらいました。
編集後記
コーヒーの味、手に触れるカップ、耳に入る音楽、くつろげるソファ。五感で感じるものひとつひとつにこだわり、それらに触れることを『体験』として提供しているスターバックスさんの事例を私たちなりの観点で紹介させていただきました。
先の展示会で私たちは「パッケージ作りは〇〇作り」というキャッチフレーズを掲げました。〇〇に入るキーワードは、企業様ごと、案件ごとにさまざまですが、消費者が手で感じとることができるパッケージで『〇〇作り』をしてみませんか?という問いかけでした。展示会でお聞きした来場者様それぞれの『〇〇』という想いをヒントに、私たちもパッケージ作りに向き合っていきたいと思います。ご来場いただいた皆様、誠にありがとうございました。
新年度、これまでお世話になってきた皆様はもちろん、新しくご縁をいただいた皆様にも感謝をしながら、学んだことをお返しできるようにがんばってまいります。
食品の広告制作に専門特化した
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