販促通信
販促通信 2024年 夏号 No.174
ブランドのトーンとアクセント
丹波地方の食材を使ったお菓子の製造販売をしておられる中島大祥堂様の、「母の日」の店頭プロモーションツールをご紹介します。母の日で思い浮かぶのはカーネーションです。4月下旬からカーネーションをモチーフにした装飾が増えていきます。これほど花の印象が強い記念日は少なく、イメージが固定されていることでビジュアル展開はしやすいのですが、お店やブランドの個性が出しづらいことが難点です。例えばデパ地下では店舗が密集しているため、ブランドごとの装飾が目立たず埋もれてしまいがちです。さまざまな状況分析をしつつ、上のようなデザインをご提案しました。中島大祥堂様の店舗やパッケージデザインでおなじみの「南蛮柄」と呼ばれるテキスタイルパターンを花束に再構成。この「南蛮柄」が中島大祥堂様のイメージに統一感を持たせているため、「母の日」の華やかさは出しながらも、遊びすぎないようバランスには細心の注意を払いました。
中島大祥堂様の南蛮柄
期待に応えるための最新設備
提携先の印刷会社さんに招待していただき、最新印刷機の実演会に参加しまし
た。枚葉(まいよう)といわれるオフセット印刷機は電車1両分程の大きさで、複数のオペレーターさんが各持ち場で操作をします。この日は、両面フライヤー、大判ポスター、箱物パッケージの3つの案件を連続して行うデモンストレーションでした。
最新機がとくに優れていると感じた部分は…
○UV照射ユニットにより印刷しながら乾かすことができる。(刷り上がりの取り回しが早い)
○案件の切り替え(版の差し替え)が早い。(仕事を多くこなせる)
○扱える紙厚の幅が広い。(紙の選択肢が豊富)
○印刷+ニス引きなど、後工程を同時に行える。
こうした特徴から、箱物を中心としたパッケージ印刷なども得意分野のひとつとなります。
デジタル真っ盛りの昨今ですが、紙媒体への需要に本気で取り組みたいと思っている私たちの高い要望に対して、確かな技術と最新設備でバックアップしてくださる現場の方々に日頃の感謝を伝えられるいい機会となりました。印刷、パッケージ制作のご相談などございましたら、ぜひお聞かせください。印刷現場と力を合わせてお応えしてまいります。
編集後記
世の中の多くの仕事がそうであるように、グラフィックデザイナーの仕事の領域もますます多様化していますが、メインはやはり印刷メディアを介したビジュアルコミュニケーションの制作です。そのため、グラフィックデザイナーは印刷機の特性を知り、意図したデザインが一番いい状態で出力されるようにデータを起こせるよう、ソフト(データ)とハード(印刷)の両方を理解している必要があります。
一方で、印刷用のデータはウェブサイトやデジタルサイネージなどにも活用されるため、そこを想定しておくことも大切です。印刷用といっても元はデータなので、アナログとデジタルの領域が今後一層混ざり合ってくるのも自然な流れです。アウトプットのメディアが何であっても、情報を読み取るのが人である以上、人が持つ豊かな感性を刺激するクリエイティブを続けていきたいと思っています。
食品の広告制作に専門特化した
デザインプロダクションです。