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販促通信

2022.10.07

販促通信 2022年 秋号 No.167

キラキラもイロイロ

光の当たり方でキラキラと美しく輝く「金(ゴールド)」は、古代から世界各地で富や権力の象徴とされてきました。現代においても金から連想されるイメージは、「高級」、「贅沢」、「本物」といったキーワードに現れています。
食べものにおいても、手間ひまをかけて製造されたもの、こだわりの食材を用いてつくられたものは、ときに高価となります。そんな商品の広告物、販促物には金の表現を使ってみてはいかがでしょうか。印刷の世界では、主に3つの方法で表現をしています。

「金箔」(箔押し)
光を受けてキラキラと輝く金箔は、明るい場所での使用におすすめです。箔押しの型をつくるため、印刷コストはあがります。銀もあります。


「インク金」(金刷り)
艶消しのような落ち着いた表現には金のインクがあります。金箔の輝きが派手すぎるなどといった場合の選択肢です。金箔ほどではないものの、インク1色分のコスト増となります。


「擬似金」(グラデーション)
カラー印刷でできる工夫のひとつです。例えば、「オレンジ→黄→白」というようにグラデーションをかけていくと金に見えます。実際には光っていないですが、そのように見せようという方法です。データ上の工夫なので、コストアップはありません。

いろいろな金の表現を効果的に使用して、商品のこだわりを訴求したり、ライバルとの差別化を図ってみてはいかがでしょうか。


芸術の秋 アートで包む

養鶏事業を営む小谷様から、卵パックの掛け紙の制作依頼をいただきました。
デザインの元となるのは鶏をモチーフとした素敵なアート作品。実はこの作品、小谷様の娘さんがお描きになった学校の宿題です。限定販売する特別な卵にふさわしいパッケージアイデアを探し求めていた小谷様が行き着いたのが、“娘さんの宿題の絵”でした。育てている鶏の羽もモノトーンでイメージもぴったり、高級感も感じられます。商業デザインでは、「シンプル」「ミニマル」が主流の一方、作家とのコラボ等でアート作品を使ったデザインも見受けられます。
今回の案件は、トレンドや潮流とは異なる、ご家族から生まれたことが新鮮で、温かい気持ちにさせてくれるデザインストーリーがありました。


アナログとデジタルを繋ぐカード

日本クリンテック様は、自社開発の掃除道具一点一点のブランディングに力を入れておられる掃除道具メーカーです。先日のギフトショーでは、イメージビジュアル中心の大胆なブースデザインで出展されました。
その展示会でブースを訪れた方にお渡ししていたのが、この小さなカード。商品ページにリンクするQRコードを大きくレイアウトし、プロダクトやロゴ、イメージ写真だけを入れたシンプルなカードです。ブースの大きなビジュアルで呼び込み、ブースデザインとリンクした小さなQRカードで展示会後も印象付ける、二段構えのコミュニケーションといったところでしょうか。
アナログとデジタルを繋ぐ小さなカードは、コツコツと積み重ねたブランディングの下で力を発揮します。


編集後記

食品のパッケージに求められる役割は主にふたつあります。まずは「保護」。輸送中や店頭での販売中に、中身がつぶれたり、傷んだりしないようにすること。次に「伝達」。商品名や一括表示、流通上の記号、法的義務とされている情報などを記載して伝えること。このふたつは、商用パッケージの最低限の条件です。
昨今、過剰包装の問題やエコの観点から、ぎりぎりの強度だったり、デザインもシンプルでわかりやすいものが評価されるようです。一方で、これら以外のパッケージのデザイン要素(ビジュアルやキャッチコピーなど)から感じ取れる商品としてのトータルイメージは、ブランド化や差別化にとって重要です。
キラリとした輝き、ときには一点もののアート作品で消費者の目を止めたいものです。予算に合わせていろいろな工夫を提案していけるように、努めてまいります。