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2022.10.07 / President Talk

人生と時間と効率化

仕事の状況を問われて、「お陰様で貧乏暇なしで…」といった常とう句が無意識に口をついて出ていた頃には、忙しさの中にもマイペースを保ち得る余裕がまだどこかにあったのかもしれない、と本書を読んで自らを振り返った。好むと好まざるとに関わらずIT化が加速する現代社会では、時に一個人の対応力や処理能力をはるかに超える質量やスピードで仕事が押し寄せてくる。それを効率的にこなそうとすればするほど疲れ果て、あげくに退出を余儀なくされるかもしれない、という何とも残念な現実に直面する。

本書は、人間も含めあらゆるものを「利益を生むための道具」とみなす現代資本主義の圧力や、SNSがもたらすさまざまな弊害を指摘しつつ、それぞれの人生の限られた時間をどう使うか、時間と効率との関係をどう捉えるかを、読み手に問うてくる。

ちょっと分厚くて読むのに少し時間がかかる本ですが、第一線でご活躍の多忙な皆さまにこそ、お勧めしたい一冊です。

「限りある時間の使い方」オリバー・バークマン著