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2020.06.30 / President Talk

非接触型の弊害

五感を使い、言葉を巧みに操って「互いにコミュニケーションを図る能力」を身に付けた人類は、生態系の頂点に君臨してきたが、新型コロナウィルスによって、今日、その能力を使えない過酷な状況に追いやられている。

人間の能力に関連して、養老孟子氏は「バカのものさし」という著書(子供向け)で次のように語っている。



「ぼくたちが生きている複雑な世の中で、人間にとって、もっとも必要な能力といったら、他人を理解する能力、そして相手にものを伝えて、逆に相手からものを伝えてもらう能力だ。」

「つまり、言葉の能力と、それから相手の気持ちを察したり、見抜いたりする能力。このふたつが人間にとってとってもだいじ。で、その能力がない人が、しばしばバカって呼ばれる。」



世の中の多数を占める我々のようなバカは、非接触型コミュニケーションを続けていて、現代社会を生き抜く能力を身に付けられるだろうか。臨機応変に対人交渉を遂行する力は、生身の人間同士が直に交流することで鍛えられる、といったら「昭和的」過ぎるだろうか。

感染防止の観点から非接触型を求める事情はわかるが、その弊害も大きいことを忘れてはならない。(自戒)